近年児童に自閉症、学習障害、多動症、適応障害などが増えています。脳をつくりあげていく過程において正常な発育に有害化学物質が支障を与えていないか危惧する医師も増えてきています。
 
 また日用品やコスメと婦人病との関連性が近年問題となっています。

 環境ホルモン、エストロゲン(女性ホルモン)作用のある化学物質を危険な状態で使用しているのです。ここ数十年で、月経異常、早熟傾向、早発閉経、不妊症などで悩んでいる人が多く、それらも経皮毒にあるという説もあり、環境ホルモンが体内に入り、女性の場合、女性ホルモンに似た環境ホルモンが入ってくることによって、体内のホルモンバランスが崩れ、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人病を引き起こします。
これら病気の若年齢化が危惧されています。
 
 環境ホルモンの影響
 正式には「内分泌撹乱化学物質」と呼ばれています。 外部から体内に取り込まれ、体内で天然ホルモンに似た作用をもたらすものをいい、天然ホルモンの働きを乱し、生殖機能にもさまざまな障害を引き起こすことがわかっています。
 
 現在、約70種類の環境ホルモンとして疑われていますが、明確な基準がなく何が環境ホルモンでそうでないかがわかっていませんが、その代表的なものはダイオキシンです。そのほかに、ポリ塩化ナトリウム(PCB)やDDT、界面活性剤の成分であるノニフェノール、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂の原料であるビスフェノールA、塩化ビニル樹脂の可塑剤に用いられているフタル酸エステルといった現在も広く使用されているものも含まれています。  
 
 過去に水俣病のようなケースもあります。
当時メチル水銀は、全く問題にされず、汚染された人々は長い間苦しみ続けました。 疑わしきものは使用しない、また自身が知識をつけ、選べる目をもつことが大切です。
 昨今、こと問題視されている胎児汚染など、私たちの体は1人のものではなく、次世代の子供たちへと継承されていくものなのだと強く意識し、自分や大切な人を守るべく、しっかりとした知識を身につけましょう。
 
http://u.jimdo.com/www56/o/s5a09bea09c15f531/img/i199775e9f1014101/1294136796/std/image.gif

 農薬やヒ素、鉛などの重金属が健康に甚大な悪影響を与えることは最近になってようやくわかってきたことです。地球上の食物連鎖の頂上は人類です。では人類の中の誰が食物連鎖の頂上に位置するでしょうか?

 

オーガニックアドバイザー教室の講義の際にいつも最初に話すことです。

「食物連鎖の頂上にいるもの・・それは胎児です」

 また、2003年厚生労働省は、メカジキや金目鯛に含まれる水銀が胎児に悪影響を及ぼす危険性があるとして、妊婦は週2回以下に控えることを警告してます。
 
水銀の被害は、記憶力や判断量を低下させ、脳機能障害をおこすことでしられており、特に胎児や乳幼児の体内に入るとその量がわずかであっても神経組織を損傷する恐れもあるのです。


(以下、「オーガニックコーディネーター公式テキスト」より抜粋)

 環境省では2010(平成22) 年、子どもの健康と環境に関する全国調査を始めました。この調査のことを「ECO &CHILD」からとって「エコチル調査」と言います。その目的は、

胎児期から小児期にかけての化学物質曝露をはじめとする環境因子が、妊娠・生殖、先天奇形、精神神経発達、免疫・アレルギー、代謝・内分泌系等に影響を与えているのではないか

 という仮説に立って妊娠初期から子どもが13歳になるまで追跡調査を行うという大規模なものです。チッソ水俣病でも明らかなように、胎児は母乳や胎盤を通して栄養も有害なものも取り込んでしまいます。その結果、母体だけでなく生まれてきたあかちゃんに重大な影響が出ました。

       

 上の図は環境省「エコチル調査」の資料からの転載です。この図からもわかるように妊娠した時点だけではなく、その前から、母親の生活環境によって生まれてくる子どもの健康に大きな影響を与えます。

 POPsのところでも学びましたが、有害化学物質の中でも難分解性で脂溶性があり生 濃縮する物質は、排泄されないで体内で濃縮してしまいます。環境中に排出された有害化学物質がいつの間にか私たちの食卓に上る一例です。
 今回のエコチル調査では、母体・胎児が環境中の化学物質<残留性有機化学物質(ダイオキシン類、PCB、有機フッ素化合物、難燃材等)、重金属、内分泌攪乱物質、農薬、大気・室内空気汚染物質等>をどのくらい摂取したか、あるいは触れたり、吸入するような環境にあったかなどを詳細に調べるものです。 次ページの表が「仮説」に基づく調査内容です。

 

妊娠・生殖分野

@環境中の化学物質のカップルへの曝露が性比に影響を及ぼす。
A環境中の化学物質への曝露により、妊娠異常が生じる。
B環境中の化学物質への曝露により、胎児・新生児の成長・発達異常が生じる。

 

先天奇形分野

@環境中の化学物質が先天奇形の発生に関与する。
A先天奇形症候群奇形発症は、遺伝的感受性と環境中の化学物質との複合作用による。

 

精神神経発達分野

@胎児期および幼少期における環境中の化学物質への曝露がその後の発達障害及び精神神経障害に関与している。
A胎児期および幼少期における環境中の化学物質への曝露がその後の精神神経症状に関与している。

 

免疫・アレルギー分野

@胎児期および幼少期における、近代的環境で著しく増加した化学物質の曝露が、その後のアレルギー疾患に関与している。

 

 

代謝・内分泌分野

@胎児期及び幼少期における環境中の化学物質への曝露が、その後の肥満、インスリン抵抗性、2型糖尿病の発生に関与する。
A胎児期および幼少期における環境中の化学物質への曝露が、その後の骨量・骨密度に影響を及ぼす。
B胎児期および幼少期における環境中の化学物質への曝露が、その後の成長に影響を及ぼす。
C胎児期および幼少期における環境中の化学物質への曝露が、その後の性成熟・脳の性分化に影響を及ぼす。
D胎児期および幼少期における環境中の化学物質への曝露が、その後の甲状腺機能に影響を及ぼす。

     環境省:「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)仮説集  分野別仮説一覧」
     平成22年3月より転載

 

この調査に新たに放射性物質が加わってしまったわけです。

私たちができること。
それは有害な成分を正しく知り、安全な製品を選択すること。
また、体内になるべく有害化学物質をいれない努力とその知識を持つこと。

 


それにより、大切な人の健康はもとより、

私たちの生活するこの地球をも守ることとなるのです。