世界のオーガニック・コスメティックマーク


 上の図は、世界のオーガニック・コスメティックの認証マークです。この中からあなたが知っているマークをみつけることができるでしょうか?
 

 食品のオーガニック基準はCODEXに基づいてほぼ世界共通ですが、オーガニック・コスメティックの場合は無政府状態と言っては言い過ぎかもしれませんが認証機関の数だけ基準がある、と言えなくもありません。

 

日本ではオーガニック・コスメティックの規格あるの?

 食品のオーガニック規格は農林水産省が定めていますが、厚生労働省管轄の化粧品にはオーガニックの基準はありません。 認証マークがないにもかからわずオーガニック・コスメティックと表記しても罰則規定がありません。つまり勝手に名乗っても罰する法律がないのです。上の図のようにいろんな基準がありすぎて混乱しているのが世界ですが、日本では基準すらできていないのです。そのため民間の認証機関が消費者保護の体場から認証を行っているのが現状です。

 今現在、原材料が有機であること・加工製品が有機であることを厳密に押さえて認証を行っているのは日本オーガニックコスメティック協会だけでしたが(通称:JOCO。紛らわしい名前の日本オーガニックコスメ協会というところもありますがこちらはコスメの販売組織を母体にした組織です。)平成28年1月時点で認証活動を休止しています。JOCOはACOと同等性の締結を交わしていました。参考までに掲載いたします。

このマークがJOCOの認証マークです。以下にACOと協議のうえ合意されたJOCOの認証基準概要を掲載します。

【JOCOの認証基準――原材料/製造基準】
■ 原材料の認証基準は有機JAS の有機農産物の生産行程管理に準じる。
■ 製造工程は有機JAS の有機加工食品の生産行程管理に準じる。規格も準じる。(水、加工助剤を除く
 95%以上が有機原材料。抽出に当たっても有機JAS に準拠)
■ 許可する添加物
 原則、植物由来であり、化学的に合成されたものは使用しない。
■ その他
 原材料・動物由来原料禁止(蜂蜜、牛乳等可)
・動物実験禁止
・石油由来原料、防腐剤(フェノキシフェタノール、パラベン等)の禁止
 添加物・添加物(最終製品の5%以下。ただし「別表」に記載あるもの)
 水 ・製品に使用する水は「飲用適」以上であること。
 製品 ・パッケージ等薬事法を適用また製造に当たっては原則Green Chemistry を遵守
 表示 ・INCI ネームの記載
・配合成分の使用目的の記載
・パッチテストの義務化
・製品認定ではなく工場認定(ただし製品ごと規定用紙に要求事項を記載)
・化粧品GMP(ISO22716)の適用
                 (「オーガニックコーディネーター公式テキスト」から抜粋)

【その他の認証基準とマーク】
COSMOS Standard

このマークはコスモスグループの認証マークです。それぞれのマークにさらにコスモス基準があるため分かりにくくなっています。2008年ころからEuの認証機関が統一基準と統一マークをつくろうと協議を重ねていますが2013年時点でまだ統一されず独自基準、独自マークに文字でcosmos基準の製品であることを表記するようになっています。上のマークは2014年12月31日までの暫定マークとなっていますのでその後変更されると思います。

■コスモス基準とは

 コスモス基準には2種類の認定基準があります。上のマークでお分かりのように「コスモスナチュラル」と「コスモスオーガニック」があります。「ナチュラル」の基準はややこしく、決してオーガニックと言えるものではないためここでは「オーガニック」基準について紹介します。

・「コスモスオーガニック」の基準概略

  1. 水、ミネラルを除く原材料は出来るだけ有機栽培されたものあるいは自然採取されたものを使用すること。
  2. 製造工程で化学的処理をする場合は出来るだけグリーンケミストリー(製造工程で環境に負荷を掛けない製造方法)に則ること。
  3. 石油由来の成分や触媒、溶媒を使用しない(ただし、2014年12月31日までは移行期として石油化学系溶媒の使用は許可。また完成製品の2%以内であれば石油化学成分が許可されています。)許可されている石油系の合成保存料は、「安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、ペンチルアルコール、デヒドロ酢酸」など。
  4. そのほか、移行期(2014年12月31日)までは、乳化剤と洗浄成分として、「両イオン合成界面活性剤」、「非イオン合成界面活性剤」「陰イオン合成界面活性剤」などの合成界面活性剤を許可。

 暫定的とはいえ分かりにくい内容です。一番気になるのはコスモス基準では、石油系の合成成分も認められている 点です。食品の有機基準を知っている人からみたら、石油由来の化学的に合成された成分が認められることには納得がいかないところです。