市場に出回っているほとんどの製品に含まれる主成分は鉱物油で、他に石油、ワセリンあるいは灯油とも呼ばれています。この鉱物は自動車の燃料として使われているものと同じです。その他エンジンオイルやミシンオイルも鉱物油。自然派化粧品、オーガニック化粧品或いはハーブ化粧品と呼ばれている製品にも実はそれらの成分が含まれていることが多いのです。また、ほとんどの製品に入っているグリセリンやコラーゲンは屠殺された動物の死骸不要部分から取り出されたものです。

 食品は経口摂取ですが、化粧品は経皮吸収で体内に不要なものや有害なものを取り込んでしまうことがあります。経皮吸収される有害化学物質などは、経口摂取の何十倍も体内に残ることが分かっています。経皮吸収された有害化学物質の排出率は10%程度といわれており、近年のデトックスブームはそういったことから注目を集めたのでしょう。 (「オーガニックコーディネーター公式テキスト」より抜粋)

 

吸収率の違い

 角質層が厚い部位は吸収量が少なく、薄い部位は多くなります。

 性器については、42倍と突出した吸収率となっており、入浴剤やボディソープ、生理用品、避妊具などは特に安全性の高いものを選ぶ必要があります。
 
 また厳密にいうと、皮膚ではないですが、口内や肛門など粘膜に覆われた部位は角質層がないので皮膚バリアが全く効きません。解熱で使用する座薬に即効性があるのはそのためです。
 
 
 口中も皮膚バリアが効かない無防備な部位なため、歯磨き粉やマウスウォッシュなども注意が必要ですが市販されている歯磨き粉の殆どには有害化学物質が使用されています。

  分子量が小さいと浸透しやすくなります。

まず、皮膚細胞に関わらず細胞膜は分子量500以上の大きな物質は通さないという特性を持っており、それが異物の浸入を防ぐバリア機能となっています。
 
しかし、私たちが普段日常使っている日用品に含まれる溶剤や合成界面活性剤、プロピレングリコール(分子量76.1)やラウリル硫酸ナトリウム(分子量288.4)などの化学物質は、分子のサイズが非常に小さいものが多いので、脂溶性の化学物質は、細胞膜や細胞のすきまを潜り抜け、皮膚から浸透しやすいと考えられています。  (「ナノ化粧品」の項でも説明していますが単に分子量が小さいからすべてが皮膚浸透する訳ではありません。「親和性」が高いものと低いものがあり、細胞のレセプターが受けつけないこともあります。)
 
また、細胞を形成している細胞膜の主要成分はリン脂質をはじめとする脂質で形成されているため、水分の浸入は拒絶するのに対し、脂溶性物質は受け入れやすくなります。
 
脂溶性物質と細胞膜を形成する脂質が融合した状態となる細胞膜は破壊され、有害化学物質を容易に体内に取り入れてしまうのです。

 

合成界面活性剤の役割と問題点

 乳化剤は油分と水分をなじませることからほとんどの化粧品に使われています。別名「界面活性剤」と呼びます。界面活性剤は保湿、浸透、乳化、殺菌など様々な目的で使用されています。石鹸や食器用洗剤にも多用されています。卵黄や大豆からつくる天然由来の界面活性剤は心配いりませんが、石油化学系の合成界面活性剤は一部は「環境ホルモン」とされ、生体のホルモンと似たような働きをして生体の成長や生殖に大きなダメージを与えます。正確には「内分泌かく乱化学物質」と言います。
 POPsに分類されているものもたくさんあります。「オーガニックコーディネーター公式テキスト」の第1章で詳しく説明しています。

 某メーカーの方の内緒話です。

 合成界面活性剤の使用目的はいろいろあるが、皮膚のバリアである角質層を破壊することから、合成界面活性剤で角質を破壊しそのくぼみに油分を載せると保湿感が保たれます。しかし、皮膚そのものをみずみずしくする訳ではないので化粧落としをすれば当然カサついた感じになります。そうすると皮膚の張り(感)を取り戻すためにまたその製品を肌につけます。これを毎日繰り返すことによって、その人は製品のリピーターになります。つまり「軟膏依存」にするわけです・・・。

 また人工香料も有害なものが多く最近問題になっています。