エッセンシャルオイルは「雑貨」扱い

 近年、アロマセラピーがとてもポピュラーになり、自分でアロママッサージを行ったり、自宅で香りを楽しむ人も増えてきました。

 アロマ(aroma)とは「芳香」という意味ですが、植物の持つ芳香成分を利用した療法のことをアロマセラピーといいます。

 アロマセラピーで使われるのがエッセンシャルオイル(精油)です。エッセンシャルオイルとは、ハーブの花、根、樹脂などから抽出される芳香性、揮発性の高い天然の精油です。精油の原料となる植物は農林物資です。農林物資ですから、やはりその多くはほ場で栽培されます。

 エッセンシャルオイルで使われるものの多くはハーブで、一般に知られているものはローズマリー、ローレル、ローズヒップなどがあります。日本で「ハーブ」は「薬用植物」を指すようことが多いようです。

 日本ではエッセンシャルオイルは基本的に化粧品ではなく雑貨の扱いになっており、成分表示や安全性のチェックは義務付けられていません。そのため、ラベンダー、ローズなど植物の名前がついていても、実際は植物に似た香りを化学合成しただけのものもあります。

 せっかく癒し効果があったとしても、有害化学物質や残留農薬などを含む「香り」を皮膚や鼻から吸収していたのでは意味がありません。皮膚に直接つけたり吸い込んだりするエッセンシャルオイルは正しい知識をもって、きちんとしたものを選ぶことが大切です。オーガニック・コスメティック認証機関では、エッセンシャルオイルのオーガニック認証も行っているところがほとんどですので、これらのマークが付いたものを選ぶと安心でしょう。これらの認証機関は有機食品の認定機関でもあるため、信頼性が高いといえます。また、これらの認定機関が認定したメーカーの中には、独自に残留農薬の検査を行っていたり、製品に成分分析表を付けているメーカーもあります。

                   (以上「オーガニックコーディネーター公式テキスト」から抜粋)

 現在、国内でオーガニック・コスメティックやオーガニックアロマの原材料を有機JAS認定ほ場で生産している所は平成28年時点で1か所しかありません。高知県の谷合の某ほ場です。