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 有機栽培、特別栽培、無農薬、無添加など、よく分からないが身体によさそうなイメージの言葉がついた食品が、野菜などを中心に店頭に並んでいます。お店の方に聞いてみても、はっきりとした説明を聞くことは出来ないことが多いです。

  それらを見かける度に「なぜ有機野菜の値段は、高いのだろうか」「どのようにして栽培された野菜に、どの名称がついているのか」「本当に安全なのだろうか」など、多くの疑問を感じていました。そのような時に、日本オーガニック推進協議会のオーガニック講師養成講座を受講する機会に恵まれました。

 インターネットの環境があれば、いつでもどこでも受講できることも魅力のひとつでしたが、丁寧な添削に励まされ、疑問に感じていたことが少しずつクリアになってくると、最後まで楽しく受講することが出来ました。 2006 年 6 月に、オーガニックコーディネーター講師養成講座を終えました。

 そして、今年( 2008 年)は、オーガニックコーディネーターとマスターオーガニックコーディネーターという厚生省認可 財団法人職業技能振興会の認定資格に生まれ変わり、公式テキストも完成しました。それらのことからも改めて、オーガニック(有機)の知識が、食品業界をはじめとした様々な産業の場で、食育を含めた教育の場で、何よりも安心安全な生活のために家庭で、強く求められていると実感しています。企業においては、違反事例はすぐに公表され、罰金も法人では 1 億円以下、懲役 1 年以下という厳しい処罰が課せられることもあり「知らなかった」では、すまされない事態となっています。それでも、食についての不安材料は、増える一方で、新聞、ニュースなどで報道される日が少なくありません。自分のため、家族のための安心安全は、自分自身で獲得していくものとなりつつあります。

 このような大きな流れの中で、オーガニックについて学び直し、 2008 年 2 月にオーガニックコーディネーター、 2008 年 6 月にマスターオーガニックコーディネーターの認定を受けました。受験に当たって、改めて、日本オーガニック推進協議会のマスターコース通信教育を受講し、懇切丁寧な添削指導は、主婦であり、母親であり、また仕事をしている自分にとってとてもありがたいものでした。時間の制約の中、勉強するのはどうしても夜になってしまいます。子供が寝てから課題に取り組み、メールで事務局に送ります。ほぼ中一日で添削が戻され、間違っていた箇所については丁寧な説明が付されており、その納得行く説明、また文章の手直しは論理力を高める意味でも、理解を進める上でも大変参考になりました。
  おそらく、ひとにオーガニックを説明する時に、有機 JAS についてはもちろんですが、残留農薬と健康・環境問題、また食品の国際的な枠組みなどを背景にオーガニックの世界が進展していることなどきちんと説明できることがこれから講師としてやっていく上での大きな自信になっています。認定校を主宰するに際しては、理事長ほか講師養成受講者の前で、模擬講演を行ったのも自信になりました。パワーポイントで講演内容をまとめ、1時間の持ち時間の中で実際の講演の時のように話すトレーニングです。不十分な内容のときは再度プレゼンしなければなりませんが、私の場合は食品保健指導士での講演を経験していたためか、一度で合格でした。お陰でパワーポイントでのプレゼン資料を作成する力もついたようです(笑)。

 私は、食品保健指導士や NR( 栄養情報担当 ) としての活動も続けておりますが、健康の為には、サプリメントよりも、基本となる食事が大切であると確信しております。(体調などによりサプリメントも活用した方が良い場合もあります。)

 最近では、「食育」についての関心が高まり、食事のバランスの大切さを知る人も増えてきました。しかしながら、旬の時期の野菜とそれ以外の時期に収穫された野菜の含まれている栄養素の違い、化学肥料や農薬を多く使用して栽培された野菜と有機栽培された野菜の栄養素の違い、などは、一般的には知られていないように感じています。また、加工食品を選ぶ時の表示も正しく読んで理解して、食品を選ぶことは、なかなか難しいのが現実ではないかと思います。環境の為、未来の地球の為のオーガニック、といった視点では、自分には関係ない、と感じてしまう方が多いと思います。しかし、自分自身の食事や生活を見直すことが環境や未来の地球の為の行動へとつながります。(不思議に感じると思いますが、オーガニックとは自然環境を大切にした生産方法なのです。)

 長い人生の中で、天気に例えると、晴れの日もあれば、どしゃぶりの雨の日もあります。農作物も、太陽の光によって成長しますが、雨が降らなくては枯れてしまいます。晴れの日も、雨の日も大切にしたいとの思いから、「オーガニックアカデミーはれあめ」を主宰しています。みなさんも一緒に、学びませんか?

 

はじめに
オーガニック・コーディネータ受講に続き、11月にマスター・オーガニック・コーディネータを受講、認定を受けました。オーガニック・コーディネータ受講では、消費者のひとりとして素直にシステムを学ぼうと思いました。マスター・オーガニック・コーディネータでは、反対に、私の経歴を過剰なほど意識し、私の想いを答案用紙にぶつけ(つまり、文句タラタラってことで。)、その中でいろいろ発見がありました。ごく一部ですが、それについて述べたいと思います。

オーガニックとの出会い
数年前のことです。「無農薬」を標榜するイタリアン・レストランで出されたサラダ。「自家菜園」が売りだったのですが、よく見るとその葉っぱの裏側に、小さなアオムシ君が「オッス!」こちらを見て挨拶していました。
ウェータに、事の次第を説明。スッとその皿をもって厨房へ戻ったウェータは、新しい皿を私の前へ、そして、一言、「失礼しました」。そのあまりにシレ〜とした態度。カチンときた私の様子を見て同席者は「アオムシ君も食べられる安全・安心な無農薬のサラダだよ」と追い打ちをかけられる始末。
「無農薬」ってそんなに偉いのか!これが私の「有機・オーガニック」との最初の出会いだったかもしれません。まだ、私が「安心、安全の有機・オーガニック」という言葉さえ知らなかった頃のことです。
学生時代、薬学を学び、職は環境コンサルタント、環境化学の世界で生きてきた私にとって、「有機」は、最近、餃子への混入で話題になったメタミドホスなど有機リン系農薬、水俣病の原因物質である有機水銀、PCBやダイオキシンなど残留性有機汚染物質など「安心」、「安全」から最もかけ離れていました。

20世紀初頭は、化学肥料や農薬により農業生産が向上した時代とともに有機農法の礎が築かれた時代です。当時から、化学肥料や農薬は良くも、悪くも強烈なインパクトを生産者に与えていたのでしょう。インパクトは50年のときを経て、公害問題など社会的背景やレーチェル・カーソンの「沈黙の春」(1961年)、有吉佐和子「複合汚染」(1975年)など化学物質に対する警鐘とともに、我々、消費者へ届きます。
第一次オーガニック・ブームの到来です。マスコミや商業主義に煽られ、生産者の都合に合わせた自然回帰的なイメージ農法、小売店は商品棚やチラシ、広告に生産者の名前入りの顔写真を張り「安心・安全」を謳いあげました。また、「土のついた大根」、「まがったネギ」、「虫食いのある葉物野菜」などが安心・安全の象徴と信じていた消費者も少なくないでしょう。明確な定義も規格もないまま、「なんとなく自然なもの」が安全で、安心というイメージができあがっていきました。今にして思えば、「俺が誇りをかけて作ったオーガニックだ!文句を言わずさっさと食え!」そんなゴーマンさを感じさせます。
同時期、世界では、まったく別の動きが起こっていました。FAO(国際連合食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)の合同食品規格委員会は有機農法に関する国際基準を策定、種、苗、栽培、収穫、調整、またその保管、輸送を経て消費者へ至る全行程が規格化されました。有機JAS規格はこの基準に準拠しています。規格に合格した農産物に「有機JASマーク」が貼付され、貼付されていない有機農産物は違法なのは、国際基準がトレーサビリティを重要視しているからです。
病害虫、農薬など使用禁止資材による汚染、慣行農産物との混在、輸送中の化学物質による暴露など、あらゆる危害性を予測して、予防処置をとり品質保持のため、臆病すぎると思えるほどリスク管理の積み重ねです。なによりも優れている点は、規格に準じた農産物やその加工食品の生産・流通過程を立ち返って安全性を確認でき、安心を確信することができる点です。オーガニック・コーディネータ受講では、有機JAS規格の農産物の記録が、どこにどんな形で残されているかを学ぶと言っても過言ではないでしょう。

確認し、確信し、享受しましょう!
マスター・オーガニック・コーディネータ試験は論述形式です。各分野の専門家が受講し、持論を駆使して、試験に取り組むわけですから、添削が教科書の受け売りでは受講者は納得しません。オーガニック推進協議会のアカデミー事務局の添削に受け売りはありません。すべてが合理性に裏付けられた解説です。大変な負荷だと思います。受講生を数名(ほんの4〜5名)に制限していることからも伺えます。
多様なイメージの「有機・オーガニック」ですが、その使用対象は化粧品、酒類、コットン、建物など、JAS規格の対象である農林物資以外にどんどん広がっています。
環境負荷を抑え、安全を確認し、安心を確信して、快適なライフスタイルを享受する消費者が求める付加価値の多くは無形で、規格に基づく流通は「安心」、「安全」のみならず、「美味しさ」など無形の価値も届けられるのです。
講習で、有機JAS規格に準じて農産物を生産し、加工、流通させて消費者に届けることにより、安全を確認でき、安心を確信するシステムであることを学びます。
是非、「安心」・「安全」のみならず、生産者・製造者の皆さんが生み出す「想い」ともいうべき、「多様な付加価値」を消費者へ届けてみようではありませんか!皆さんもマスター・オーガニック・コーディネータの講座を受けて、専門分野で活用してみませんか。